NEWS

カテゴリ: Jahe merah >M&Kぶろぐ >インドネシア >インドネシア工業省 >ほっかほっか >赤ショウガ >赤ショウガ

インドネシア特産赤しょうが粉末:冬に向けて

2018年11月10日 14:31 | コメント/トラックバック (0)

冬に向けてのほっかほっか商品
インドネシア特産赤しょうが、Jahe Merah
赤は健康に良い色
インドネシア工業省の研究報告

インドネシア特産、最も人気の赤ショウガ
赤ショウガの学名はZingiber officinale var. rubrum。
現地での名称はJahe Merah (ジャヘ・メラ)と呼ばれています。
ショウガはショウガ科の多年生草本。
ショウガを日常的に摂取するインドネシアでは、赤、白、黄の3種類のショウガが栽培されています。
皮が赤いため赤ショウガと呼ばれます。

インドネシア工業省の研究報告をご紹介いたします。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

インドネシアのショウガ 報告書

インドネシア政府、産業省(Ministry of Industry)
農業分野開発センター(CABI, Center for Agro-Based Industry
翻訳:(株)エムケーラボラトリーズ、顧問西垣 敏明

はじめに

インドネシアはスパイスを初めとする豊富な自然産物の国です。

この莫大な自然産物は適切に利用されていないが、生薬や健康志向食品の輸出産業開発に高い可能性を有している。
最近の急速な科学技術の進歩は、これらの利用の発展に行かず伝承的な飲料だけに留まり、健康飲料として共存、相補するだけであった。

インドネシアにおいて初めて伝承的な飲料として展開されてから、国民の健康志向に伴い伝承的飲料はより高度のものへと向かうようになっている(Apriyanthy, 2000)。
インドネシアの様々な生薬は乾燥粉末のサチェットやカプセルで売られるが、粉末よりむしろ原材料としても取り扱われる。

ショウガも原材料商材の一つであり、飲料食品の製造に使われる。
2008年12月CABI主催の会議によって、ポピュラーとなり多くの消費者の注目を集めたのが「赤ショウガ」(Zingiber officinale)である。

健康食品や飲料業界は「赤ショウガ」を使用し始めた。
しかしながら、これら業界用の原材料として赤ショウガを更に発展させるにはいくつかの問題点が生じた。
それらは

  • 赤ショウガを他のショウガと区別するための特徴(フィンガープリント)について情報がないこと
  • 赤ショウガに特異的な生物活性や比較すべき特長に関しての情報がないこと
  • 赤ショウガ製品に記載すべき品質基準となるものが得られていないこと、であった。

これらの問題点から、赤ショウガの品質評価が悪く、国内及び国際的市場の要求に応えることができていない。

文献的考察

  • ショウガについて
    ショウガはインドネシアの輸出香辛料商品の一つであり、伝承医薬品、植物性医薬品の原材料でもあり、インドネシアの雇用や収入に重要である。
    輸出商品としては生鮮ショウガ、漬けもの(象ショウガ)、乾燥品(象、白、赤ショウガ)や精油(白、赤ショウガ)。

    世界のショウガ商品の需要、またインドネシアの食品・飲料業界の成長に伴いショウガの需要量は増大している。
    1998年、インドネシアのショウガ輸出量は32,807トン、公式輸出額は9,286,161米ドルであった。
    2003年には、品質基準を満たさないため7,470トンに減少し、3,930,317米ドルの輸出額であった。

    しかし、ショウガ需要は毎年増加している。
    インドネシアにおける現状は、栽培面積の増大や様々なショウガ製品の出現に対応している。
    現在もなお、大規模ショウガ栽培への発展には適切かつ持続的な栽培への努力が必要とされている。
    ある成功レベルに達するには、推奨すべき方法を採用して、適切な品種栽培、適切かつ安定した栽培による商品の品質保証が必要となる。

  インドネシア産ショウガの輸入を規制する国々があるが、特に日本は細菌数が多いことにより輸出ができず、農家の収入減少となっている。
  このため、最良の栽培方法の導入や最優品種由来のものを使う必要がある。

  さらに、薬品原材料の品質は製薬企業や収穫後の処理過程によって決められるので、ショウガ栽培にはGAP(農業に関する適切基準)の順守がされるのが望ましい。

  • ショウガの種類
    ショウガ(Zingiber officinale)はショウガ目の多年生草本。刀状の2対2葉、枝角用の根茎で香気が強い。
    ショウガは、クスリウコン、ムラサキガジュツ、ウコン、バンウコン、ナンキョウなどの仲間である。
    インドネシアの地域によって呼び名が異なる(省略)。

   種子植物門、被子植物亜門、単子葉類、ショウガ目、ショウガ科、ショウガ属、ショウガ。
   現在のインドネシアにおいては、根茎の形状、色と芳香によって大型・白いショウガ、小さいショウガ、および赤ショウガの3種類が区別される。

   大きく白いショウガ(象ショウガ、以後黄ショウガと訳す)は、象ショウガあるいは白い根茎のショウガと呼ばれ、大きく、節状の黄白色で径4~8.5㎝。
   芳香は弱く、高さ6.2~11.3㎝、長さ15.8~32.7㎝で葉と幹は薄緑、根茎の精油含量は0.82~2.8%。
   根は大きく太ったものと、より幅広のものの2種類がある。
   若齢、老齢のどちらのショウガも生鮮あるいは加工食品として食べる。

   小さく白いショウガ(以後、白ショウガと訳す)は、多層な根茎で匂いは強く、径3.2~4.0㎝、根茎部の高さは6.3~11.1cm、長さは6.1~31.7㎝、薄緑の葉と幹を持ち、精油含量は1.50~3.50%。
   このショウガは必ず老齢のものを採取する。
   精油含量は黄ショウガより多く、よりスパイシーで線維も多い。
   このショウガは生薬あるいはオレオ樹脂や精油抽出に向いている。

   赤ショウガ、小さな根茎で皿状に生育し、匂いは非常に強く、オレンジから赤色を呈し、径は約4.2㎝、高さ5.2~10.4㎝、長さ12.3~12.6㎝、薄緑の葉と赤緑色の幹で精油含量は2.58~3.9%。
   赤ショウガは
        ジンゲロール、リモネン、1.8-シネオール、10-デヒドロジンゲルジオン、6-ジンゲルジオン、
        アルギニン、アルファーリモネン、アスパルギン酸、β-シトステロール、カプリル酸、カプサイシン、
        クロロゲン酸、ファルネサル、ファルネシン、ファルネソールを含んでいる。

   1.8-シネオールは精液早漏に良いとされている。
   一方、他の成分は抗コリンエステラーゼ作用によって中枢神経の刺激や勃起作用がある。

   3種類のショウガの中で、赤ショウガが伝統医薬品として使用され、含有成分がより完全に含まれている(Rostiana 等、2005)。

  • ショウガの効果
    ショウガは医薬品、生薬および他の目的で使用されている。
    ショウガは消化器分泌腺を刺激し、食欲および消化を促進する。
    ショウガはまた香辛料として料理に使用され、食欲亢進、胃強化や消化を改善する効果がある。
    過剰に刺激されている胃や腸粘膜はショウガ根茎の揮発成分によって取り除かれる。

  ショウガオイルには定型的な芳香成分としてジンゲロールを含み、失調性疾患や若い妊婦の悪感や嘔吐の予防や治療に有効。
  加えて、シャープな匂いは食欲を増進、腸菅の筋肉を強化、腸内ガスを除去、心臓機能を助長する。
  アジアにおける伝承医学では、ショウガは風邪、咳、下痢、関節炎のような骨疾患に使用され、発汗によって体内浄化の促進にも使用されている。

最新の研究
  以下のようにショウガの効能が科学的に証明されている。

  1. 血圧低下作用
    ショウガは血管を拡張させ、血液の流れを速くかつ円滑にし、心臓の作動を軽減する。
  2. 消化助長
    ショウガはたんぱく分解酵素や脂肪分解酵素を含んでおり、たんぱくや脂肪を分解する。
  3. 血液さらさら効果
    ショウガのジンゲロール成分は、抗血液凝固作用があり、血液の凝固を予防する
    脳溢血や心筋梗塞の原因となる血管内の凝固を予防する。
    また、ジンゲロールはコレステロールを低下させるとも考えられている。
  4. 抗セロトニン作用
    ショウガは、胃の収縮を引き起こすセロトニンの作用を抑制し、悪感を予防する
    車酔いにも効果がある。
  5. 整腸作用
    胃を楽にさせ
    、腹部の子癇を改善し、ガスを取り除く。
  6. 抗酸化作用
    ショウガは抗酸化物質を含むので、体内のフリーラジカルによる傷害の回復を助長する。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
以下は翻訳者のコメント
 本報告書では、各ショウガの特徴の明確にするためにショウガ中の精油成分ジンゲオールやショーがオールを分析することを、主要な目的としている。
 その結果は、ジャワ島の産地によっても成分に大きな違いがあることが分かった。
 各地域の気候風土、栽培期間、品質管理方法、収穫後市場での日数などが不明確によることが関係しているのかもしれない。
 ちなみに本研究用に入手したショウガ原料は、西ジャワ州のボゴールの市場で入手している。

 以下に示す成績は、西ジャワ島産の黄ショウガ(日本のショウガと形態的には同じ)と赤ショウガの比較。

                             単位mg/100g粉末

 

6-gingerol

8-gingerol

10-gingerol

6-shogaol

黄ショウガ

471

147

151

28

赤ショウガ

617

162

120

36

        
   赤ショウガは10-gingerolを除き、いずれも黄ショウガより成分含量に富んでいる。
  ただ、赤ショウガは他のショウガに比べて収穫後の劣化が早く、1か月もするとその風味がなくなると言われている。
  今回の試料はいずれも市場で入手し、粉末化したものであり、鮮度に差があった可能性が高い。
  分析値は参考値と位置付けるべきものである。

  高品質の赤ショウガ粉末を得るには、新鮮な根茎を速やかに乾燥させる必要がある。

西ジャワ州の赤ショウガ農園と若いショウガ

パプア州ナビレの市場で売られている赤ショウガ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

赤しょうがのM&Kpediaはこちらへ
赤しょうがの「ほっかほっか赤ショウガ粉末」はこちらへ
赤ショウガの乾燥原材料はこちらへ

コメントをどうぞ

NEWSTOPへ M&KぶろぐTOPへ

Feedを登録して情報をすばやく取得!

Feedを登録
Twitter
    follow me on Twitter
    Twitter Facebookでも情報をご覧いただけます。

    このページのトップへ