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M&Kpedia: インドネシア特産の赤ショウガ

2023年10月03日 17:30 | コメント/トラックバック (0)

インドネシア原産・特産
赤ショウガ

分類

界:植物界
  被子植物
  単子葉類
目:ショウガ目
科:ショウガ科
属:ショウガ属
種:ショウガ
学名:Zingiber officinale ROSC.
和名:ショウガ
現地名:Jahe merah (ジャヘメラ)
英名:Ginger
中国:姜

JaheMerahPlantation

インドネシアの赤ショウガの栽培農園
有機栽培

JaheMerahMK

3~4か月の赤ショウガ

赤ショウガとは

ショウガの原産地はインドと推測される地下に屈指を連ねた形の根茎を有する多年生草木。
高さは60㎝、葉身は披針形で長さ15~30㎝、幅30㎝、花は緑黄色だが開花は稀。
根茎を野菜、香辛料、菓子、飲料、香水、薬用に利用する。
辛み成分はジンゲロンやショウガオール。

現在のインドネシアにおいては、根茎の形状、色と芳香によって大型の象ショウガ( Jahe gajah)、小さいショウガ(Jahe emprit)、および赤ショウガ(Jahe merah)の3種類が区別される。

大型の黄ショウガは、日本の栽培種と同じと考えられる。
白ショウガも赤ショウガも、ショウガの亜種と考えられ、インドネシアだけの元首化もしれない。
象ショウガの根茎内部が黄色~白色であるのに対して、白ショウガは白い、赤ショウガは根茎の表面が赤い。
大きさは、象ショウガが最も大きく、次いで赤ショウガ、白ショウガに順に小さい。

小さな根茎で皿状に生育し、匂いは非常に強く、オレンジから赤色を呈し、径は約4.2㎝、高さ5.2~10.4㎝、長さ12.3~12.6㎝、薄緑の葉と赤緑色の幹で精油含量は2.58~3.9%。

赤ショウガは独特のショウガの匂い、辛みを持ち、ショウガ中最も成分・精油含量が高いため少量の飲用で発熱感を持つ。
3種類ショウガの中で有効成分が完璧に含まれており、精油含量も最も多いため、インドネシアでは主に伝承医薬品として取り扱われている(1)。

赤ショウガは採取後長期保存が出来ないため、直ちに乾燥させなければなりません。

類似種と呼称

ショウガ科には多くの種類があり、日本で使用あるいは知られているものとして次のものがある。
ショウガ(Zingiber officinale), イモニガショウガ(Z. cassumunar, 強い樟脳香)、オオヤマショウガ(Z. spectabile, 最も大型), ハナショウガ(Z. zerumbet, 辛みなし)が熱帯植物に分類され、食用や薬用に用いられている(2)。

赤ショウガや白ショウガは、ショウガの亜種と考えられ、独立した属としては分類されていない。

インドネシア、伝承医薬品ジャムゥとしての使用

赤ショウガは、保存性が悪く収穫後1か月で腐ってしまうため、直ちに乾燥させる。
インドネシアでは、乾燥赤ショウガ原料はスパイスとして料理に、健康食品素材として広く一般的に利用されている。
最も精油成分が多く、辛みは最も強いため、医薬品やハーブ食品に最も適した種類。

因みに白ショウガの精油成分は1.50%に対し、赤ショウガの精油含量は2.77%と2倍弱の含量を持っている。
またた、赤ショウガの精油成分には、一般のショウガに含まれない新規の精油が含まれることが確認されている(1)。
主として製薬会社製造の商品に用いられ、食欲の増進、スタミナ増強、発汗促進、ダイエット食品として使用する。

生産加工

アカショウガは、2008年12月インドネシア政府工業省研究所CABI主催した会議によって有名となり、国内各地で栽培されるようになった。
有機栽培が可能で、農薬は化学肥料は使用しない。
堆肥を肥料として与えるだけで、10か月から1年で収穫する。
生産量については不明であるが、健康飲料の素材として広く愛飲されていることから、年間数万トンが栽培されていると推測する。

成分組成

赤ショウガはギンゲロール、リモネン、1.8-シネオール、10-デヒドロジンゲルジオン、6-ジンゲルジオン、アルギニン、アルファーリモネン、アスパルギン酸、β-シトステロール、カプリル酸、カプサイシン、クロロゲン酸、ファルネサル、ファルネシン、ファルネソールを含んでいる。
1.8-シネオールは、精液早漏に良いとされている。
一方、他の成分は抗コリンエステラーゼ作用によって中枢神経の刺激や勃起作用がある。

赤ショウガから発見された新規精油である1,7-ビス(3,4-ディヒドロキシフェニール)-3,5-ヘプタンディオール、2-カラノールを含みスタミナ増進作用がある(1)。

3種類のショウガの中で、赤ショウガが伝統医薬品として使用され、含有成分がより完全に含まれているとされている。

赤ショウガとショウガの違い

赤ショウガはインドネシアだけで栽培されているもので、植物学的な分類、特徴は一般に知られていない。
ショウガ属として取り扱われているのが現状である。

日本で栽培される金時ショウガ、谷中ショウガ、静岡4号、近江ショウガ、オタフクショウガとの相同についても不明である。

効能

ショウガは医薬品、生薬および他の目的で使用されている。
ショウガは消化器分泌腺を刺激し、食欲および消化を促進する。
ショウガはまた香辛料として料理に使用され、食欲亢進、胃強化や消化を改善する効果がある。

過剰に刺激されている胃や腸粘膜はショウガ根茎の揮発成分によって取り除かれる。
ショウガオイルには定型的な芳香成分としてジンゲロールを含み、失調性疾患や若い妊婦の悪感や嘔吐の予防や治療に有効。
加えて、シャープな匂いは食欲を増進、腸菅の筋肉を強化、腸内ガスを除去、心臓機能を助長する。

アジアにおける伝承医学では、ショウガは風邪、咳、下痢、関節炎のような骨疾患に使用され、発汗によって体内浄化の促進にも使用されている。

最新の研究では、以下のようにショウガの効能が科学的に証明されている。
  1血圧低下作用:ショウガは血管を拡張させ、血液の流れを速くかつ円滑にし、心臓の作動を軽減する。
  2消化助長:ショウガはたんぱく分解酵素や脂肪分解酵素を含んでおり、たんぱくや脂肪を分解する。
  3ショウガのジンゲロール成分:抗血液凝固作用があり、血液の凝固を予防する。脳溢血や心筋梗塞の原因となる血管内の凝固を予防する。
  4ジンゲロール:コレステロールを低下させるとも考えられている。
  5抗セロトニン効果:胃の収縮を引き起こすセロトニンの作用を抑制し、悪感を予防する。車酔いにも効果がある。
           胃を楽にさせ、腹部の子癇を改善し、ガスを取り除く。
  6抗酸化物質:体内のフリーラジカルによる傷害の回復を助長する。

原料形態

インドネシア産赤ショウガは、以下の形態で入手が可能です。

1.赤ショウガ乾燥片
  インドネシアにおいて、赤ショウガの根茎を洗浄後、数ミリ切片、乾燥したもの。

  
2.赤ショウガ粉末
  輸入赤ショウガ乾燥片を200メッシュに微粉末化したもの。


3.赤ショウガピューレ
  インドネシアにおいて、生の赤ショウガを圧搾し、ろ過し缶詰後、オートクレーブ滅菌。
  100%ピューレ。
  赤ショウガの澱粉が凝縮しペレットかしているが、使用しない。

栄養成分と安全性

赤ショウガの粉末の栄養成分分析の一例を下記に示す(3)。

項目

成分値(100g当り)

水分

8.6 g

エネルギー

339 kcal

たんぱく質

10.1 g

脂質

1.4 g

炭水化物

71.5 g

ナトリウム

35 mg

食塩相当量

0.1 g

灰分(ミネラル)

8.4 g

残留農薬検査では、分析した項目はすべて陰性であり、農薬は使用されていないことが確認されている。

用量

インドネシアでは、赤ショウガを生のまま食べることは少ない。
乾燥して粉末状にして製品に加えることが一般的であり、有機溶剤による成分の濃縮は行わない。
あるインドネシア商品では、1回摂取分として赤ショウガ乾燥品として25㎎が含まれる。

利用

赤ショウガの国インドネシアでは、健康飲料として湯やコーヒーに入れて飲む。
商品としては、他の天然素材に加えて赤ショウガを加えたサチェットが開発されている。

アカショウガ製品

赤ショウガ入りのインドネシア製品


日本では使用の経験は浅く、湯やコーヒーなどの香辛料として使用するのが一般的。
赤ショウガの粉末あるいは乾燥材を使用し、様々な飲料や食品に加える方法も個人レベルで工夫、報告されている。
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IMG_6860JaheMerah Liquor

赤ショウガ漬け焼酎

大関 亀ジェリー

赤ショウガ入り亀ジェリー

また、一般的なショウガと同じように乾燥物あるいは粉末を使用することも可能(4)。

1. 生姜紅茶
2. 葛入り生姜紅茶
3. シナモン入り生姜紅茶
4. 生姜湯
5. シソ入り生姜湯
6. ネギ入り生姜湯
7. レンコン入り生姜湯
8. ニンニク入り生姜湯
9. 梅しょう番茶
10. ダイコン湯
11. 生姜酒
12. 生姜入り日本酒
13. 生姜酢ハチミツドリンク
14. 生姜入りホットサングリア
15. 生姜ネギ入り日本酒
16. 生姜黒みつ
17. 生姜ジャム
18. 生姜じょうゆ
19. 生姜ドレッシング
20. 生姜ダレ
21. 生姜みそダレ

副作用

赤ショウガは様々な飲料に加えられているが、有機溶媒による抽出物質はほとんど使われず、根茎をそのまま使用する限り、副作用はないと考えられる。

脚注

1.インドネシアのショウガの識別化、インドネシア工業省、CABI研究所報告
2.熱帯植物要覧、熱帯植物研究会編、(株)養賢堂
3.(株)エムケーラボラトリーズ資料
4. 生姜力、石原結實著、主婦と生活社より

関連人物

関連項目

外部リンク

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