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一瓶の薬局:ヴァージンココナッツオイルの話(2)

2015年07月15日 10:05 | コメント/トラックバック (0)

一瓶の薬局
善いオイル、悪いオイル
ヴァージンココナッツオイルの話

Drug Stores in a Bottle: Good Oil and Bad Oil

1 一瓶の薬局

一瓶の薬局
クルス氏はハーバル医薬品を販売し大いに繁盛していた。
ハワイやタヒチ産ノニジュース、パパヤ錠剤、アンパラヤ(苦瓜)錠剤、咳や喘息用のラグンジ錠剤、腎結石排出サンボンやそれ以外の植物性医薬品など。

2004年、クルス氏はヴァージンココナッツオイルを商品群に加えたが、ヴァージンココナッツオイルを飲用した消費者の反応に驚いた。
ヴァージンココナッツオイルを再度購入するだけでなく、ヴァージンココナッツオイルが彼等の病気治療に効果があったとの便りが届いた。

どんな病気?便秘、頻繁な風邪、ニキビ、イボ、真菌感染症や乾癬症、スタミナ不足、リューマチ、糖尿病、高血圧、喘息、心臓病、前立腺や腎臓疾患などあらゆる病気の効果の報告が寄せられた。
1日に300通もの手紙が寄せられるようになり、当然ながら内容を書きまとめて、数千人にのぼる体験者の記録を作成している。
クリス氏は、ヴァージンココナッツオイルにユニークな名前を付け、”Drugstore in a Bottle”(一瓶の薬局)と呼んでいる。

体験談によるエビデンス
「治癒」という言葉は、この世の中では頻繁に使われ、特に代替医薬品や植物由来医薬品では良く使われる。
この言葉の乱用が医薬品の効能効果表示の検証のために必要な法律となった。澱粉や砂糖などの偽薬(プラセボ)は、多くの人々に有益な作用をもち、特に病気を治癒させることは良く知られた事実だ。
偽薬効果は30%以上の人々にあり、主として精神や情緒的な要因の疾病の患者では偽薬効果が高い。
上手く考慮された臨床治験では、偽薬効果や成績に影響を及ぼす要因は排除され、多くの治験患者を使用するため効果判定は統計学的な手法で行う。

この統計的手法を用いた治験試験には、例外がある。
対象疾患の患者が少なく、疾病が進行性かつ医薬品では治癒困難だが、迅速な治癒が期待される疾病の場合は例外となる。
多くの治癒報告があるヴァージンココナッツオイルは例外であり、いわゆる一例一例の体験報告は重要な知見を提供する事が可能である。

2000年のヴァージンココナッツオイル現象
ヴァージンココナッツオイル
は決して今始まった新規の食品ではない。
3~4千年前のインドの生命科学アユールヴェーダでは、既にヴァージンココナッツオイルやその効能効果が知られている。
ヴァージンココナッツオイルの有用性は、マゼランが航海計画を立てるずっと以前に、インドの貿易商人がフィリピンに伝えている。
残念ながら使用方法は変化し、ヴァージンココナッツオイルの知識は埋没してしまったのが現実だ。
近代文明や現代医学は、現代人からココナッツオイルの健康への効能や有用性を徐々に忘れさせ、隠すようになった。

現在のフィリピンでは、調理で使われる唯一自国の食用油は「野菜オイル」(Vegetable Oil)だが、この食用油が実際はヤシのコプラから製造されているとは誰も知らない。

ヴァージンココナッツオイルの復興は1980年代に多くの研究者の埋もれた研究成果の発見と共に始まり、インターネットなどの媒体で伝播していった。
この様にして、ココナッツオイルの健康への効果や病気の治癒効果は改めて明らかにされてきている。

医師の間ではココナッツオイルは心臓病を引き起こすという事実に反した思い込みのため、その有用性の理解には相当年月がかかり、コプラから製造されたココナッツ食用油は有用な医薬品としての注目を集めていなかった。

しかしながら、2004年の初め優れた物理的性質を持つヴァージンココナッツオイルが市場に再度出回るようになって、ヴァージンココナッツオイルの医薬品としての使用が注目され文献探索が始まった。
皮膚病には外部からの塗布と全身疾患には飲用するという研究報告は数多いことが明らかになった。

通常あるいは非常に高価な治療で治癒しない慢性疾患患者は、ヴァージンココナッツオイルを飲用して回復し、それも非常に早い病気からの回復に歓びの声をあげている。
これこそ長い間捜し求めていたものだと。
携帯電話での友人へのメッセージ、テレビ・ラジオ・雑誌・新聞などのメディアを通じて、瞬く間にマニラだけでなく全国に知れ渡った。

ヴァージンココナッツオイルの一般人への理解は速やかであったが、医師の反応はいずれの国と同様に遅く、多くの疾病別専門家は否定的であった。
治癒効果のエビデンスが体験に基づくものに限るからというのが、彼等の否定的な根拠である。
現在の医師は、明らかに新しい知識・教育を学び、”Evidence-Based”(証拠・根拠に基づく医療)を重視する。

ヴァージンココナッツオイルが健康へ良い効果をもたらすという新規発見の場合、科学的な証拠はない。
古い学問は確認の必要があるものかも知れない。
もちろん、研究資金がたとえあったとしても(当然ないが)、実施されるべき研究は無尽で全部実施するには数十年の歳月が必要である。

局所及び全身疾患がヴァージンココナッツオイルによって治癒するという仕様体験者の支持は、ヴァージンココナッツオイルの能力について医学専門家の能力をはるかに勝っている。
医学は、ヴァージンココナッツオイルの効果に対して「何故」、「どのようにして」という課題に今や追いつき、研究しなければならない時点に来ている。
ヴァージンココナッツオイルの抗菌作用や抗肥満エネルギー効果などのついては、研究成績によって解明されているが、免疫促進や抗炎症作用などの面については説明が困難だ。
残念ながら、現代の医科学は人間の慢性疾患の原因・機序について総てを理解しているわけでないから。

炎症性疾患や自己免疫疾患への効果やこれらの作用についての考察や理論については、後で触れることにする。

善い脂肪と悪い脂肪
「悪い」という言葉は食品では使うべきでなく、食品は身体の成長・維持には必須であり、もともと有害でない。
ただ、大量に摂取した場合のみ有害であるのが一般的である。
しかし、今日の科学・医学・栄養学は、「悪い」脂肪があることを見つけ出し、「善い」脂肪に置き換える代えることが健康にとって緊急の課題であるとしている。
何十年も摂取している脂質、蛋白質や炭水化物の種類が、身体の構成成分となり健康や病気への抵抗や罹患性を決定づける。

「一瓶の薬局」といわれるココナッツオイルは機能性食品であり、様々な病気に対して効果を発揮する。
しかし、医薬品の治療域がすこぶる狭く非常に毒作用を持つのに対し、ココナッツオイルの安全域はすこぶる広く毒性域に達する事はない。

プカプカ島やトケラウ島のマオリス族は、1日の脂肪カロリーの70%をココナッツオイルから摂取する。
マオリス族の利用可能な食物はココナッツや魚類だが、健康で心臓病、糖尿病や高血圧はほとんど、あるいは全くみられない。
ヴァージンココナッツオイルを大量に食べるが、毒性を示す兆候は全くない。
一方、ニュージランドに移住し、西欧的な食物を摂るマオリス族は高血圧、心臓病や糖尿病の発生率がニュージランド白色人種より高い。
自然環礁に定住し続けるマオリス族の同胞と比較し、明らかにココナッツオイルの摂取が極端に少ないのが原因だ。


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目次

はじめに
1.一瓶の薬局
2.秘かなココナッツオイル研究
3.ココナッツオイルの政治経済的歴史
4.アメリカの毒:アメリカ人は何故デブか
5.メタボリック・シンドローム
6.必須脂肪酸
7.トランス脂肪酸
8.1900年代初頭アメリカの心臓病
9.EVCOは糖尿病に効果
10.EVCOでダイエット(1)
11.食用油は短命の原因
12.EVCOでダイエット(2)
13.ファーストフードのトランス脂肪酸
14.粥状硬化の発症:神話と新しい事実(1)
15.粥状硬化の発症:神話と新しい事実(2)
16.カノーラオイルは安全か

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