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インド栴檀・ニームは松枯れ病を救えるか?

2016年06月07日 16:02 | コメント/トラックバック (0)

松枯れ病の被害は拡大
インド栴檀のニームケーキが被害を抑制できるか?

松本市の実害例

松本市のある名刹の寺で松枯れ病被害が深刻であるニュースを聞きました。
対策費用が莫大になり、市などからの助成・補助金はなく、ただ当局から対策を要求されているようです。

被害の松は、墓地内にあり胸高の径30㎝以上の立派なもので、10本ほどある松の総てが赤く枯れていました。
伐倒するにも斜面であることと、周囲に無数の墓があり困難な状態。
元気回復が望まれれれば、殺虫剤噴霧や樹幹注入ができますが、既に枯れているような松も確認できました。
松が枯れて2年目に育つといわれる「ヒトクチタケ」が多数発生している松も認められたのです。

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枯れた松に成長するヒトクチタケ

松枯れ病の原因
北アメリカより明治時代に日本に持ち込まれたマツノザイセンチュウ。
体長は約1mm程度の小さな線虫ですが、卵で生まれて親になるまで3~5日しか必要とせず、メスは約100個の卵を生むため松の体内で莫大な増殖が行われます。
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松枯れ病被害とは、マツノザイセンチュウが松の体内に入り水分の通導を阻害し、松を枯らしてしまうことを言います。
マツノザイセンチュウは自分で松から松へと移動できません。
松の体内に潜入し松を枯らしたら、他の昆虫の力を借りて次の松に移動します。
このマツノザイセンチュウを運ぶ「運び屋」が、「マツノマダラカミキリ」なのです。

マツノザイセンチュウとマツノマダラカミキリの関係のサイクル

第1段階
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枯れた松の材の中で越冬したマツノマダラカミキリは、春から初夏にかけて蛹になり羽化して成虫になります。
そのときマツノザイセンチュウはカミキリの体に乗り移り、線虫を抱えたカミキリは直径1cm程の穴を開けて外へ飛び出していきます。


第2段階

cycle2

カミキリは5月から7月頃にかけて、健全な松から松へと飛びまわり、松の若枝の樹皮を食べます。

第3段階

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カミキリの体内に潜入していた線虫は、カミキリの食べた樹皮の傷口から松の材の中に侵入、急激な生理異変をもたらし、松を枯らしてしまいます。

第4段階

 

cycle4

 

カミキリは・この線虫1こよって衰弱した松の木を探し出して樹皮にかみ傷をつくり、排卵管を差し込んで卵を産みつけます。

第5段階

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卵からふ化したカミキリの幼虫は、樹皮の下で柔らかい皮を食べながら成長します。
夏の終わり頃から秋の間に成長した幼虫は、材に深く穴を開けその中で越冬します。
そしてまた第1段階へとつながっていぎます。

以上、鳥取県広報「松くい虫の生態と被害のメカニズム」より
http://www.pref.tottori.lg.jp/100845.htm

現在の松枯れ病の防除方法

1.駆除法
  1)特別伐倒駆除―被害木を伐倒・玉切りにして破砕・焼却・炭化
    結果:搬出先から被害の拡大
  2)伐倒駆除―被害木を伐倒・玉切りし、枝条を含め農薬(スミチオン、Baycid)散布
    結果:カミキリ幼虫の殺虫効果は不安定。現在使用されない
  3)薫蒸処理―被害木を伐倒・玉切りし、枝条までビニールで被覆薫蒸。
        カミキリ幼虫や線虫に100%の駆除効果。
        季節を問わず実施可能で全国的に採用。
        有毒な臭化メチルが使用されていたが、現在は別物質(?)。
    結果:枝条部までの完全処理はできない。被覆資材放置による環境汚染。

2.予防法
  1)空中散布(スミチオン、Baycid乳剤)―カミキリの発生時期に航空機による樹冠部への殺虫剤散布。
   結果:住宅・水源林・野生動物生息地・農作物栽培地・畜産施設・養蜂・養殖場などへの散布制限、ドリフト被害。
  2)殺虫剤のマイクロカプセル化―スミチオンの光・降雨・蒸発による分解・流出による効果減弱を補うマイクロカプセル化により散布回数を減らす。
   人畜毒性・魚毒性・自動車塗装への危被害の大幅軽減(殺虫剤の空中散布は危険)。
   結果:実用化されていない。
  3)地上散布―カミキリの発生時期に樹冠部への動力機噴霧。
        樹高40mまで噴霧可能なスパウター使用可能。
   結果:松林では散布作業が容易なため、低濃度薬剤の複数回散布。
  4)樹幹注入―冬期間に健康な松樹幹に薬剤(Greengurd,Megatop,Shotone剤など)を注入。
        成虫の発生前に樹冠全体に浸透移行分布させる。
   予防効果は高く、2~3年持続する。住居地域に適する。
   結果:コストが高い

3生物防除
1)天敵微生物―検討中
2)天敵昆虫・線虫―結果:昆虫の取得異性が低く、線虫は効果なし。
3)鳥類保護―カミキリ幼虫の捕食者としてのキツツキ類の保護誘致のためのねぐら用巣箱の開発。
     結果:鳥誘致には広葉樹の混合林が必要。
4)誘引剤―カミキリ幼虫の誘引剤、2種が開発されている。
     結果:松材線虫の離脱後の成虫だけが捕獲されるため、防除への利用の可能性は低い。
5)樹勢回復剤
     結果:松材の活力剤、植物活性剤、微生物土壌活性剤などは、
        いずれも松材線虫病に対する予防・防除、殺線虫、忌避効果は認められない。

インド栴檀・ニームによる松枯れ病への対策?

松枯れ病の原因が日本在来のマツノマダラカミキリと外来のマツノザイセンチュウの共同作業によるものです。
上述のように既にいくつもの防除・駆除方法があり、効果面では殺虫剤散布か伐倒駆除・処理が適当だと思われます。

しかしながら、被害を防ぎきれていないのが実情です。
富山県では、楓にも被害が広がっていると聞きます。

殺虫剤散布によるコストや住民への被害、伐倒処理や殺虫剤の樹幹注入についてもコスト面で困難があるようです。
この場合、非常にコスト的に安いインド栴檀のニームケーキを使用すればと、10年近く考えていました。
ただ、実証試験に乏しく、数例の成功例があるだけです(こちらへ)
それにしても、有効な予防・防除・駆除対策がないなら、ニームケーキを試してみる価値があります。
安価で容易にできると方法だと思います。

1樹幹注入
 ニームケーキの水抽出物を松枯れ病の樹木あるいは予防対策として樹幹注入することです。
 マツノマダラカミキリの生態サイクルを遮断することと、マツノザイセンチュウへの効果が期待できます。

2ニームケーキ施肥
 ニームケーキを松枯れ病の樹木および予防対策として樹木周囲に施肥する方法。
 インド栴檀の有効物質が松の材に吸収され、センチュウに対して効果が期待できます。

インド栴檀のニームケーキは殺虫剤ではありません。
あくまで、卵-幼虫-さなぎ-成虫のサイクルを食欲減退作用によって、阻止することです。

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