シナモンはスリランカ産がベスト
Ceylon Cinnamon

シナモンとは
クスノキ科の樹木の内樹皮から得られる香り高い「スパイスの王様」と呼ばれる香辛料である。
邦名：セイロンニッケイ、英名はシナモン（Cinnamon).ス
セイロンシナモンの原産地は、スリランカや南インド。

シナモンは複数の植物種とそれらの一部が作り出す商業的香辛料の名称である。
スリランカや南インドなど熱帯地方原産のセイロンシナモン (Ceylon Cinnamon、Cinnamomum verum、Cinnamomum zeylanicum) が本物とされている。
セイロンシナモンは、世界流通の8％だけの稀少な香辛料である。
特徴的な芳香成分はシンナムアルデヒド、オイゲノール、サフロールなど。香り高く、『スパイスの王様』と呼ぶ者もいる。

中国やインドシナ原産のシナモンは、カシア (Cinnamomum cassia、Cinnamomum aromaticum)と呼ばれ 、セイロンシナモンとは区別される。

カシアの樹皮は桂皮（ケイヒ）と呼ばれる生薬だが、現代の研究では重要な薬効や治療効果の証拠を見つけることができていない。
シナモンは古くからスパイスとして安全に使用されてきたが、カシアに多く含まれるクマリンは肝機能障害を引き起こす可能性があり、長期間のグラム単位の摂取には注意が必要である。

セイロンシナモン

セイロンシナモンはスリランカ原産。
スリランカ原産のシナモンは、GI (Geographic Indication)認証制度に基づく原産地証明がまもなく（2023年5月時点）発行されるようになる。

高さ8～17ｍの常緑高木であり、木のあらゆる部分が芳香を持っている。
内皮を賦香料として珍重される。
樹皮は0₋5～1%のシンナモン油を含み、主成分はシンナムアルデヒド（65～76％）、オイゲノールや1-フランドレン（4～８％）を含む。

シンナムアルデヒド

セイロンシナモンは2年間栽培されたのち、刈り取り、素早く内樹皮だけを取り出す。
内樹皮の厚さは僅か0.5ｍｍ程度であり、乾燥と圧搾によってロール状にする（クイル、Quill)。
セイロンシナモンの場合、内樹皮が何重にもロール状にされる。
非常に熟練した技術が要求される。

一方、カシアの場合、樹皮層が2～3ｍｍと厚いため、クイルとして巻けないため厚い一層、樹皮の破片となる。

セイロンシナモンの品質
セイロンシナモンは、クイルによって格付けされる。

１アルバ：直径6㎜未満
２コンチネンタル：直径16mm未満
３メキシカン：直径19ｍｍ未満
４ハンブルグ：直径32ｍｍ未満

Ｍ＆Ｋは、日本で最も使い易いコンチネンタル（直径16㎜未満、アルバは私用せず）の５インチ（12.5㎝)長のスティックを取り扱う。

セイロンシナモンとカシス比較
一般にシナモンとして販売され、食品香料に使用されているのはカシアです。
スリランカ産のセイロンシナモンは、薄い内樹皮のクイルとなり、香気はカシアに比較して辛味が弱く、繊細な薫りが特徴。
また、下記に述べるように栄養学的、健康面において、セイロンシナモンはカシアに勝る。

セイロンシナモンの栄養・効果的な側面
セイロンシナモンに含まれるビタミン、ミネラル、抗酸化物質は、健康に大きなメリットを有している。
たとえば、シナモンにはベータカロチンが豊富に含まれており、これが濃い茶色の理由の 1 つです。
色素のカロチンファミリーは、ビタミンAに変換できるため、重要なプロビタミンとして機能します。

セイロンシナモンのその他の健康上の利点は次のとおりです。

１炎症の軽減
セイロン シナモンの有効成分であるシンナムアルデヒドには、抗炎症作用がある可能性があります。
シンナムアルデヒドは、体内の炎症反応を軽減し、陰性症状を軽減することが示されています。
炎症は、心臓病、糖尿病、関節炎などの慢性疾患に関連しています。
セイロンシナモンは、これらの状態の症状を軽減できる可能性があります。

２コレステロール値下作用
シナモンで行われた初期の研究では、シナモンがコレステロール値を下げるのに役立つことが示されています。
いわゆる「悪玉」LDL コレステロールは、全体的な高コレステロール値と同様に、心臓病などの問題に関連しています。
シナモンは、「善玉」HDLコレステロールに大きな影響を与えることなく、LDLおよび全体的なコレステロールレベルを下げるのに役立つようです。

３インスリン反応を改善・ダイエット効果
シナモンはインスリン抵抗性や糖尿病の人にもメリットがあるようです。
シナモンを定期的に摂取すると、インスリンに対する体の自然な反応を助けることができます。
これにより、体が血糖値をより効果的に調整し、低血糖または高血糖のリスクを軽減することができます。

これには、セイロンシナモンの糖分解酵素（α‐アミラーゼ、β‐グルコシダーゼ）の阻害作用が関連していると考えられます。
両酵素によって、食物中の糖類の消化を遅らせて、血糖値の急激な上昇を抑えると考えられます。

この作用は、ダイエットにも関係します。

４栄養性
セイロンシナモンには抗酸化物質が豊富に含まれており、体がフリーラジカルを処理するのを助け、癌、心臓病、糖尿病などの健康状態のリスクを低下させます。
セイロンシナモンにはミネラルのマンガンも豊富に含まれています。
このミネラルは、体がホルモンを生成する酵素を管理し、骨の修復を助けるのに役立ちます。
マンガンはまた、酵素マンガン スーパーオキシド ジスムターゼの一部として抗酸化物質として働き、体をフリーラジカルから保護します。

セイロンシナモンは、次の優れた供給源でもあります。
ビタミンA
ビタミンK
カリウム
亜鉛
マグネシウム
シンナムアルデヒド

セイロンシナモン規格

コンチネンタルグレード
クイルの直径：平均16mm未満   (12cm~17cm)
長さ　　　　：平均約12cm
平均重量　　：約10ｇ/本
1㎏本数　　  ：約200本/kg　

セイロンシナモンの使い方
セイロンシナモンは乾燥したスパイスなので、インターネットや食料品店のスパイス売り場で一年中見つけることができます。
市場で購入でき、あるいは加工食品やカプチーノに使用される多くのシナモンはカシアです。
本物のシナモン、セイロンシナモンを確実に入手したい場合は、セイロンシナモンと謡っているシナモンを選ぶべきです。

セイロンシナモンはスティックとして提供できます。
セイロンシナモンのスティックは、カシアに比較して柔らかいので、金スリや家庭用のミキサーで容易に粉末にでき、あらゆる料理に加えるのがはるかに簡単です。
必要時にスティックを粉にすることが良いでしょう。
セイロンシナモンステックは気密容器に入れておくと、風味が失われるのを防ぐことができます。

セイロンシナモンは、あなたの食事になだめるような健康的な添加物です。
この温かいスパイスを使用するいくつかのレシピーを次に示します。

＊セイロンシナモンティー
　お勧めのレシピの一つです。
　セイロンシナモンスティックをそのままあるいは粉状にして、沸騰したお湯に3～4分間浸します。
　スパイスを濾すと甘くてスパイシーなお茶になります。

＊チャイラテにセイロンシナモンをプラス
＊シナモンロールを作る
＊パンプキンパイに挽いたセイロンシナモンを加える
＊カレーにシナモンを入れて味に深みを出す
＊柑橘類の果物を入れて温めた甘いリンゴ酒サイダーを作り、シナモンスティックでかき混ぜる
＊セイロンシナモンをこすりつけて肉の味付けに使用する
＊ホットチョコレートにシナモンをふりかける
＊コーヒーに粉砕したシナモンをふりかける（カプチーノ）、など

注意事項
すべての種類のシナモンには、大量に有害であることが知られているクマリンとして知られる化合物が含まれています。
セイロンシナモンは、カシアシナモンよりもクマリンがはるかに少なく、長期間摂取しても肝臓障害は起きないと考えられます。
クマリンの毒性が気になる場合は、セイロンシナモンがカシアより安全な選択肢となります。

シナモンパウダー
シナモンパウダーは使いやすい形態となっています。
しかしながら、シナモンパウダーはシナモンスティック製造時の破片や屑から作られます。
二級品が多いものと思われますので、信頼できる商品を購入すべきです。

関連人物
関連項目
外部リンク
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